草地・飼料生産学

私たちは、牛用の飼料の栄養特性を調べています。

草地・飼料生産学近藤 誠 准教授 Assoc. Prof. Kondo Makoto

えさが足りない?

日本の飼料自給率は約25%で、飼料原料の多くは海外に依存しています。世界では、人口増加や経済発展に伴いミルクや肉の需要が増加しており、その結果、飼料原料の需要が高まっています。さらに、穀物からのバイオエタノール生産により、食料と飼料、燃料の間で穀物の利用が競合しています。このようなことから日本国内での飼料生産の重要性が増しています。

植物資源がえさになる?

日本では余っている水田を活用して、飼料用のイネが栽培されています。飼料用のイネは、繊維が多く取れる形のイネが好まれ、茎が大きく、穂が小さい品種が開発されてきました。私たちは、この飼料用のイネには牛のエネルギー源となるデンプンが茎にも蓄積することやセルロースなどの繊維を構成する成分割合が変わることで、牛の胃の中での消化性が高まることを見出しました。
また、食品や飲料の製造段階で発生する副産物の中には、飼料として使えるものもあります。例えば、飲料工場で発生する緑茶殻にはタンパク質が多く含まれています。私たちは緑茶殻に含まれるタンパク質が輸入している飼料と同程度に消化吸収され、乳生産に使われることを明らかにしました。

ミルクや肉に変わるえさの栄養を知ろう!

一見、汚い、と思われる尿や糞便は、動物の消化吸収の状態やえさの利用効率を調べるうえで、重要な情報を与えてくれる材料にもなります。私たちは大学内での実験に加えて、県などの研究所や企業との共同研究を通して、牛用の飼料の栄養特性を調べています。

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