附帯施設農場

研究は⾼野尾町の豊かな⾃然に囲まれた附帯施設農場内にて⾏います。爽快な景⾊に⼼も和むことと思います。

附帯施設農場長菅 輝義 教授 Prof. Nagasuga Kiyoshi

日本でダイズを栽培することは難しい。

大豆は、私たちの食生活に欠かせない豆腐や味噌、醤油などの原料ですが、日本での自給率は2-3%と極めて低いです。この原因の一つに、国内での大豆栽培が難しく、生産量が毎年安定しないことがあります。日本では、梅雨の前後にダイズの種を畑に播きます。そのため、生育初期には土壌がよく湿っており、茎や葉が過剰に成長してしまいます。その結果、葉が相互に遮蔽しあって光合成に必要な光が葉全体に当たり難くなってしまいます。

大豆茎葉の成長メカニズムを知りたい

日本全国で安定的に栽培することが可能となった稲では、基本的な成長特性がかなり明らかにされていますが、大豆の成長特性については不明な点がまだまだ多いです。大豆茎葉の最適成長量とその実現に関与する成長要素を明らかにするため、個体群光合成速度や外部形態に関係する要素とその環境応答について解析しています。
これまでの研究から、大豆の茎葉は、土壌水分応答が温度条件によって支配されること、温度環境の中でも地上部の温度は外部形態、地下部温度は個体光合成をそれぞれ支配することがわかってきました。

大豆の安定的かつ持続可能な栽培方法の確立を目指して

大豆の成長促進には栽培土壌の地力も大いに関与し、地力に劣る圃場において化成肥料を投与して無理やり栄養条件をよくしても、子実生産は向上しません。大豆の子実生産は、栽培する土壌の健康状態を反映する側面も有しており、日本におけるダイズ収量の低さは、日本の土壌の不健康さを示唆しているのかもしれません。
この仮説を検証するため、大豆の子実生産と土壌土壌物理化学性との関係を解析する研究も始めました。大豆にとって最適な土壌物理科学性を明らかにし、それをどのように実現させるか?この土壌物理科学性と土壌の地力の高さは一致するのか?これらの研究を通じて、ダイズと栽培土壌の双方の持続可能な栽培体系を明らかにしていきたいと考えてます。

三重大学 教員紹介ウェブページ

TOP