植物の大学病院とは?
植物病害の防除には正確な診断が前提となります。その病害診断の多くは地域の公的機関等の研究者が活躍しますが、新規に発生した病害など分類学上の位置づけ、つまりは病原菌の名前がわからない場合などは、私達が光学顕微鏡、電子顕微鏡、DNAデータ等を駆使して病原菌の性状を研究し、病原を決定する事をしています。ちょうど、植物の病害防除を支える大学病院のような役割を果たしています。学部学生が中心に担当しています。
植物寄生菌の分類学的研究が専門
特に、Cercospora属菌群という5000種に上る植物寄生菌の分類学的研究を専門に行っていて、世界中の研究者と共同で研究を行っています。大学院生は上述の診断に加え、特定の菌群の分類学的研究を担当します。
活躍の場は?
日本国内は勿論のこと世界を目指します。植物病害防除に携わる人材育成と、植物病原菌の分類学研究分野におけるアジア地域の拠点の一つとなることを目標に研究を続けています。植物病害診断を行う公的機関、種苗会社を始め、食品や生活環境中の汚染原因となる菌類の検査を行う企業、菌類を資源として探索する製薬等での活躍が期待されます。
2021.06.03
植物医科学 研究室 Phytopathology
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